愛称『EWE』について

 「EWE」は早稲田電気工学会の略称として会員の間で広く使用されている。さて、この「EWE」なる名称は何から出来たのだろうか、そのルーツを遡ってみる。
 そもそも早稲田電気工学会が設立されたのは明治45年7月(1912)電気科第1回生(21名)が卒業したその時である。初代会長は当時電気科科長であった浅野応輔氏か就任された。
 電気工学会は大正2年( 1913)には早くも早稲田電気工学会会報を発刊している。これは早大における学会機関誌の嚆矢(こうし)であった。早稲田電気工学会会報は、その後早稲田電気工学会雑誌(月刊)と改名され昭和2年5月 ( 1927 ) 8巻5号には「The Journal of The Electrotechnical Society of Waseda」と初めて英文名が付けられている。
 早稲田電気工学会の英文名「The Waseda Electrotechnical Society」はこれによるものと思われる。ちなみに早稲田電気工学会規則第1条は「(名称)本会は早稲田電気工学会と称し、英文名を「The Waseda Electrotechnical Society」とし、略称EWEとする」と定めている。ここで正式に「EWE」なる名称が登場する。
 実はこの「EWE」の名称はかなり以前から学生の間で使用されてた。昭和2年(1927)早稲田電気工学会に学生部会が誕生した。これは当時1年生で学生委員をしておられた川島喜蔵氏および谷鹿光治氏(昭5年卒) (両氏とも早稲田大学名誉評議員)が中心になって結成したものである。この時この学生部会の英名を「The Waseda Electrical Engineering Department」とし略称を「EWE」と定めたとのことです。当時学内の運動部やサークルでは、このような略称を付ける事がはやっていたと、川島先輩に伺った。
 現在広く使われ、親しまれている「EWE」の原点はどうやらここにあると考えられる。
(資料:川島喜蔵氏談、早稲田電気工学会雑誌、「電気工学会沿革」)

(出典)「EWE早稲田電気工学会ニュース第15号」(1994.11)P7
    「EWE会報55号」(2014.3)P87