理事会の電子メール審議について
会長代理の2019年度第4回理事会から新型コロナウイルスの影響で、急遽電子メール審議になりました。対面審議ならば、資料と議事録で良かったのですが、資料の行間を補うために、説明として膨大な文書を作成することになりました。
思えば、大学の1~2学年の時に電気実験に加えて、電気通信実験と機械実験も面白そうなので選択しました。当時は、電卓はなく数表と計算尺でグラフを作成しなければならない時代でした。ただ一つFORTRANでプログラムを組めば手計算から解放されるのですが、1回のターンラウンドがIBM7090のバッチ処理なので3日間かかりました。万一、プログラムにバグ(間違い)があればアベンド(アブノーマルエンド)になり、計算結果を入手できないので、手計算に戻り時間との格闘になりました。
また、ワープロもなく、万年筆書きが必須でしたので、書き直しも多くありました。時代が変わっても検算や推敲で部屋が紙だらけになることは変わりません。
今回、EWEのホームページ更新や会計処理などの理事会の運営をしている時に、学生時代のレポートに追われた日々を久々に思い出しました。
【コラム:計算尺を知らない世代へ】
対数を応用して乗除算ができる欧米の計算尺を日本の竹で製作し成功した「ヘンミ計算尺株式会社」(1895年創業)を、最近、偶然にも御茶ノ水駅前の一等地で発見しました。今でも名前はそのままで、プリント基板製造などの会社に変貌していました。
計算尺には、一般用のほか電気用、通信用、機械用などもありました。例えば、LとCにカーソルを合わせるだけで周波数f=1/2π√LCを求めるものもあり、今で言うところの関数電卓でしょうか?
タイガー計算機やモンロー計算機も知る人は少なくなりました。計算尺がアナログで目盛りを読むのに対し、これらはデジタルで答えが出ます。タイガー計算機は、掛け算、割り算、平方根の計算を、ギヤを回転させて計算する機械式計算機です。モンロー計算機は、手動のタイガーを電動機駆動にしたもので、当時、図書館に唯一1台置いてありました。計算を始めると、図書館が機械の回転音で響き渡りました。
タイガー計算機は、電力研究室で微分方程式をルンゲクッタの数値解法を行う時に、故田村康男教授を中心に数人で手回ししながら計算するので、知力だけでなく腕力も鍛えられました。
会長 佐藤勝雄